THE DESIGN SCIENCE FOUNDATION

The Design Science Foundation

DESIGN SCIENCE_03 概要

「人間は混沌の中から秩序を見出すことで生き延びてきた。しかし今や、その秩序とは一体何なのかさえ、掴みづらくなっている」。現実の把握さえ不確かになり、感受性(Sensibility)や繊細さ(Sensitivity)といった感じ取る力、反応の柔軟性も衰退している。その一方、脳中心の発想に偏りがちな現代においてなお、身体は脳の指令を待つことなく環境に応じて自律的に反応している。身体と環境が触れ合う曖昧だが確かな境界──そこにこそ、人間と物、そして環境の「調和」の鍵があるのではないか。 人間として生き抜く「境界の身体×知」へ。


深澤直人
デザイナー / THE DESIGN SCIENCE FOUNDATION 創設者

1956 年、山梨県生まれ。1980 年、多摩美術大学美術学部デザイン科立体デザイン専攻プロダクトデザイン専修卒。シリコンバレーの産業を中心としたデザインの仕事に7年間、従事した後、1996 年に帰国。2003 年、NAOTO FUKASAWA DESIGNを設立。多摩美術大学副学長。日本民藝館館長。デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などは国や領域を超えて高い評価を得ている。世界を代表する70 社以上のブランドや日本国内の企業のデザイン、コンサルティングを多数手がける。最近は地方の自然開発に携わる。世界で最も影響力のあるデザイナーの一人である。良品計画デザインアドバイザリーボード。イサム・ノグチ賞、Collab Design Excellence Award 2024 など受賞歴多数。2022 年、一般財団法人THE DESIGN SCIENCE FOUNDATIONを創設。著書に『ふつう』(D&Department Project、2020 年)、『AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲』(現代企画室、2017 年)、『デザインの輪郭』(TOTO出版、2005 年)など、共著に『デザインの生態学──新しいデザインの教科書』(東京書籍、2004 年)、『デザインの原形』(六耀社、2002 年)がある。

自然界は一見混沌としていながら、鳥や魚の群れ、植物の葉の配列などに秩序が垣間見える。人間はこの「秩序の発見」に快感を覚え、それが人間の生存と学習を支えてきた。自然は単なる秩序ではなく、カオスでもない。カントが美の本質として説いた「目的なき合目的性」とは、意図して作られたわけではないのにそうとしか感じられない、両者の絶妙なバランスである。そしてそこに自然とデザインの接点がある──。選択肢の氾濫が混沌を生み出している現代社会においてデザインに求められる哲学・思想とは「何を選ぶか」ではなく「何を選ばないか」を問うことであり、余白や抑制を通じて世界との最適な関係を築くことである。選ばないことが新たな創造と秩序を回復する知である。そして美と感動は、混沌の中から自然に生まれる秩序と揺らぎにこそ宿るのである。来たるべき人間の創造性と生存の術を示すデザイン、その使命の提言。


深澤直人
デザイナー / THE DESIGN SCIENCE FOUNDATION 創設者

1956 年、山梨県生まれ。1980 年、多摩美術大学美術学部デザイン科立体デザイン専攻プロダクトデザイン専修卒。シリコンバレーの産業を中心としたデザインの仕事に7年間、従事した後、1996 年に帰国。2003 年、NAOTO FUKASAWA DESIGNを設立。多摩美術大学副学長。日本民藝館館長。デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などは国や領域を超えて高い評価を得ている。世界を代表する70 社以上のブランドや日本国内の企業のデザイン、コンサルティングを多数手がける。最近は地方の自然開発に携わる。世界で最も影響力のあるデザイナーの一人である。良品計画デザインアドバイザリーボード。イサム・ノグチ賞、Collab Design Excellence Award 2024 など受賞歴多数。2022 年、一般財団法人THE DESIGN SCIENCE FOUNDATIONを創設。著書に『ふつう』(D&Department Project、2020 年)、『AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲』(現代企画室、2017 年)、『デザインの輪郭』(TOTO出版、2005 年)など、共著に『デザインの生態学──新しいデザインの教科書』(東京書籍、2004 年)、『デザインの原形』(六耀社、2002 年)がある。

花びらが咲く前にサクラの樹は全身で桜色に染まっているはずだ──。染色家・志村ふくみは花びらも葉もない樹に「全身で染料を生みだす活動」を見て、染料の取り出しに成功する。その「イメージ的直観」は見えないものを見る芸術的直観であり、知的直観の一形態である。この直観には「焦点化した知る働き」である知覚とともに、焦点化した知覚を分散させる「注意」という行為能力が含まれている。注意の分散は「事物は別様でもありうる」という世界の多様性や変化の可能性──静止の背後にある潜在的な運動──に気づかせる。ゲーテの「原型的直観」はこの動的な姿を捉えたものである。一見して体制が異なるヒトデとイカも、位相的座標内に配置すると潜在的変化の可能性において隣接する。また、走り幅跳びの精妙な身体制御や陶芸の洗練が示すのは、身体と物、それぞれの潜在的可能性の連動である。その連動において作品は芸術性を帯び、同時に知覚の拡張と経験そのものの形成が立ち上がるのである


河本英夫
哲学者

1953 年、鳥取県生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学大学院理学系研究科博士課程満期退学(科学史・科学基礎論)。博士(学術、東京大学)。東洋大学文学部哲学科教授を経て、現在、東洋大学名誉教授。専門は哲学・システム論・科学論。著書に『オートポイエーシス──第三世代システム』『メタモルフォーゼ──オートポイエーシスの核心』『経験をリセットする──理論哲学から行為哲学へ』(共に青土社)、『システム現象学──オートポイエーシスの第四領域』『損傷したシステムはいかに創発・再生するか──オートポイエーシスの第五領域』(共に新曜社)、『〈わたし〉の哲学──オートポイエーシス入門』(角川選書)、『ダ・ヴィンチ・システム──来たるべき自然知能のメチエ』(学芸みらい社)、『哲学の練習問題』(講談社学術文庫)など多数。編著に『哲学のメタモルフォーゼ』『現象学のパースペクティヴ』(共に晃洋書房)、『iHuman──AI時代の有機体-人間-機械』『見えない世界を可視化する「哲学地図」──「ポスト真実」時代を読み解く10 章』『創発と危機のデッサン──新たな知と経験のフィールドワーク』(いずれも学芸みらい社)などが、訳書に荒川修作+マドリン・ギンズ『建築する身体──人間を超えていくために』『死ぬのは法律違反です──死に抗する建築 21 世紀への源流』(共に春秋社)、アーサー・C・ダント『物語としての歴史──歴史の分析哲学』(ちくま学芸文庫)、H・R・マトゥラーナ+F・J・ヴァレラ『オートポイエーシス──生命システムとはなにか』(同)などがある。

動物の行為には、環境との関係を調整する遂行的行為と、昆虫の触覚のように情報を探る探索的行為がある。カタハリウズグモは季節によって蜘蛛の巣の中心部の形を変え、より鋭敏に微細な振動を感知する。これは探索行為を支える情報媒質を環境ごとデザインする例である。S・ヴェイユは無限のバラエティを出現させる世界を捉えるのに非連続性を導入する量子論を批判し、J・ギブソンは知覚が連続的な光学的情報の探索に支えられていることを示した。そしてR・ファインマンは次のように述べる。プールに多くの人が飛び込めば水面に波が立つ。その波から「いま何が起きているか」を知る虫がいると想像してみる。波の特徴とゆらぎから、誰がどこにいつ飛び込んだかを読み取れる。それが私たちの「見る」という行為ではないか、と。共通するのは世界の事物の連続性である。やわらかい身体をもつ生物やロボットは張力のネットワークを介して環境を知る。探索を可能にするのは、主体と環境を包み込む連続的な情報媒質の場なのである。豊かな知覚の機会を与える情報媒質のデザインへの、生態心理学からの提言。


野中哲士
生態心理学者

1972 年、東京生まれ、神戸市塩屋在住。東京大学文学部美学芸術学専修課程卒業後、音楽家として活動したのち東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。2008-09 年、フランス国立社会科学高等研究院にて道具使用技能の発達をめぐる研究に従事。2014 年より神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授、2020 年より同教授。2013 年に「運動の生物科学」で第22回中山人間科学振興財団中山賞奨励賞、2017 年に「身体-環境系における柔軟な行為制御の研究」で第14回日本学術振興会賞を受賞。2016-17 年ハーバード大学 Wyss Institute、2022 年ケンブリッジ大学工学部客員研究員。著書に『具体の知能』(金子書房、2016 年)、共著に『身体とアフォーダンス』(金子書房、2018 年)がある。International Society for Ecological Psychology理事。

日常の「違和感」を記録し、その“わからなさ”を受け入れることが思考と創造の入口になる──。著者はその具体例として、ロンドンのケンジントン・ガーデンズの人工池「ラウンド池」での体験を語る。地上ではやわらかく有機的に感じられた池が、実は200×150メートルの対称的構成であることに驚き、直線と曲線が切り替わる淵に立つと視界や距離感が揺らぐ不思議な感覚を覚える。水面と地面の高低差がわずか5センチほどしかないため両者の境界が曖昧に見えるという独特の感覚も生じていた。鳥たちは人に馴れ、対岸で餌が取り出されるのを見た瞬間に一斉に向きを変えて進む。混沌に見えて秩序があり、そこには小さな社会がある。浅瀬ではハクチョウの胴体だけが白い浮き島のように残り、池面に不思議な風景を生む。芝生では8羽の鳥が同じ向きで並び、違和感の正体が「数」にあることに気づく。筆者は「動画に落書き」という制作を通じ、鳥の予測不能な動きから、鳥がバーをくぐるような別の風景を連想して描き込む即興の面白さを語る。ふと訪れる違和感が生みだす「なんでだろう?」という問いから創作へという思考の流れの中で、デザインと行為の関わりを柔らかく読み解く。


三澤遥
デザイナー

1982 年、群馬県生まれ。2005 年、武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、デザインオフィスnendoを経て、2009 年より日本デザインセンター原デザイン研究所に所属。2014 年より三澤デザイン研究室として活動開始。ものごとの奥に潜む原理を観察し、そこから引き出した未知の可能性を視覚化する試みを実験的なアプローチによって続けている。主な仕事に、水中環境を新たな風景に再構築した『waterscape』、かつてない紙の可能性を探求した『動紙』、国立科学博物館の移動展示キット『WHO ARE WE 観察と発見の生物学』、第25回亀倉雄策賞受賞記念展『Just by | だけ しか たった』、立教大学校内のライフシュナイダー館で開催された展覧会『細野さんと晴臣くん』、大丸松坂屋百貨店の新たなシンボル『百様図』と新包装がある。2019 年毎日デザイン賞受賞。

絵を描くことは思考することによく似ている──。一筆ごとに対象を問い、見えない部分を想像しながら構造と意味を探るのである。筆跡には身体的な痕跡だけでなく、思考や感情、偶然が混ざり合い、作り手の人格がにじむ。作者は「描くことを描く」ことを主題とし、自らの制作行為を観察・分析しながら、「自分の中にあって自分では気がつかなかったこと」と対話する。制作では最初に色だけを決め、偶然を導き入れるために小さな紙と筆で試作を重ねる。幾度もスケッチを繰り返しながら、直感的に「これだ」と思える形に出会うと、それを拡大・構成して作品を仕上げていく。筆を重ねるうちに、描けば描くほど作品が自立し、やがて絵が「描いてくれ」と語りかけるような対話の時が訪れる。絵画には単なる物質以上の気配や厚みが宿り、全ての筆跡がその存在感を形づくる。作者にとって描くとは感情表現ではなく、自己の内側にあって、自分のものと言えるかどうか定かではない何かを見つめ、形にする営みである。そしてその答えは言葉でなく、絵の中にこそある。手が思考を導き、絵が自ら語り出す。描くことに導かれる画家の思考と方法。


武田鉄平
画家

1978 年、山形県山形市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。2013 年より現在のコンセプトで絵画制作を開始し、2016 年に個展「絵画と絵画、その絵画とその絵画」(KUGURU、山形市)を開催する。2019 年9 月にMAHO KUBOTA GALLERYで東京初個展「Paintings of Painting」を行う。2024 年、同ギャラリーにて個展「まるで、花のような」開催。著書に『PAINTINGS OF PAINTING』(ユナイテッドヴァガボンズ、2019 年)、『FLOWERS』(ユナイテッドヴァガボンズ、2024 年)がある。https://www.mahokubota.com/ja/artists/1628/(MAHO KUBOTA GALLERYのアーティストページより)。

スーザン・ソンタグは『オン・フォトグラフィ』の冒頭で、人類はいまだにプラトンの洞窟から抜け出せず真理の幻影を楽しんでいると述べた。暗い部屋に小さな穴を開けると外の像が反転して映るカメラ・オブスクラの現象は紀元前から知られていた。画家たちは正確な描写のためにこれを活用し、やがて携帯型の箱やレンズを備え、写真機へと発展した。だが現代の人間たちは明るい屋外にあって、暗闇に映る反転した像を見つめる経験を失っている。北斎の「節穴の不二」には、この現象を見慣れた江戸の暮らしが反映しているが、近代建築は暗がりを消し、節穴を消したことでこの光の現象を抹消した。洞窟に動物たちを描いていた人々の光の体験とはどんなものだったのか? 今こそ「暗い洞窟」に立ち戻り、視覚理論も建築デザインという意識もなかった時に人々が光をどう知覚していたのかに思いを馳せるべきではないか? Back to the cave──。原初の光と幻影の体験へ。


ホンマタカシ
写真家

写真家。近年の作品集に『Portrait of J』( DASHWOOD BOOKS、SESSION PRESS)、『TOKYO OLYMPIA』(NIEVES出版)、『Thirty-Six Views of Mount Fuji』(MACK出版)など。2023 年から2024 年にかけて東京都写真美術館にて個展「即興」を開催。2025 年の瀬戸内国際芸術祭ではUNHCRとの合同プロジェクトとして難民の撮影プロジェクト「SONGS―ものが語る難民の声」の展示を高松港にて開催。

「つくること」の本質とは何か? 筆者にとって「つくる」とは「みてしまった」瞬間から始まる行為である。ホームセンターでみた金槌、メジャー、折り紙、スポンジ、脚立、段ボール、割り箸。「みてしまった」ことが「しなければならないこと」を呼び起こし、それらのみなれた物たちが筆者のまなざしのもとで新たな相貌をみせはじめる。金槌が自立する姿に「意志とは無関係に立つこと」を見出し、メジャーの目盛りを「つなぐ基準」として眺め、折り紙を「折る前の紙」として捉え直す。あるいはスポンジを積んだときの軽やかさ、穴を塞ぐ行為の情感──。筆者は「みること」はすでに「気づくこと」であり、その気づきを言葉にできないまま差し出すことが「つくること」の目標ではないかと述べる。既存の機能や文脈を離れた物たちの「あり方」に触れ、みてしまったことの誘惑への応答として、「作品」と呼ばれるしかないものが生まれるのである。


冨井大裕
美術家

1973 年、新潟県生まれ。1999 年、武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻コース修了。活動初期の石膏による小さな人型の作品を経て、スーパーボール、クリップ、鉛筆、ハンマーなど、多種多様な既製品を用いて立体作品を構築するスタイルへと移行。並べる、重ねる、束ねる、折り曲げるといったシンプルな手法によって、既製品を本来の意味や機能から解放し、彫刻の新たなあり方を探求し続けている。X(旧Twitter)にて発表される「今日の彫刻」などと併せ、既存の展示空間や制度を批評的に考察する活動も行う。武蔵野美術大学教授。2024 年、「PRIZE for LEADING CHARACTER 2024」 DSF CULTIVATION AWARD受賞。参加した主な展覧会に「横浜トリエンナーレ2011」(横浜美術館/日本郵船海岸通倉庫)、「MOTアニュアル2011 世界の深さのはかり方」(東京都現代美術館)、「アーティスト・ファイル2015隣の部屋」(国立新美術館、韓国国立現代美術館)、「Re construction 再構築」(練馬区立美術館、2020 年)、「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」(東京国立近代美術館、大阪中之島美術館、2024 年)、「アート・オブ・ザ・リアル 時代を超える美術」(鳥取県立美術館、2025 年)など。2023 年、個展「みるための時間」(新潟市美術館)、「今日の彫刻」(栃木県立美術館)を開催。作品集に『the plurality and lightness』( Yumiko Chiba Associates、2015 年)、『関係する|Interact』(Rondade、2017 年)、『switch point/冨井大裕の10 年』(switch point、2020 年)、『みるための時間』『今日の彫刻』(水声社、2023 年) など。共編著に『わからない彫刻 つくる編』『わからない彫刻 みる編』(武蔵野美術大学出版局、2023、24 年)がある。

稀代の漆工家・佐藤阡朗氏の“ものを見るまなざし”はどのように形づくられたのか──。佐藤氏の原点には、八戸の裏町で見た職人たちの手仕事がある。桶屋や畳屋の動きに幼い心が震え、「ものに向かう姿勢」への尊敬が芽生える。弟子入り後は徒弟制度の厳しさと、師匠・呉藤友乗の徹底した教えに鍛えられる。師は「無駄は自然への冒涜」と説き、材料だけでなく、生活の段取りや立ち居振る舞いにまで無駄を許さぬ姿勢を求めた。民藝館との出会いは、行商で訪れた際、濱田庄司に作品を認められたことに始まる。対話のなかで深澤氏は、職人の世界に流れる「段取り」と「気遣い」の美学に強く共感する。自然素材を扱うからこそ生まれる「ダレ」(手作業による加工、素材の流動、熱によって角の部分などに生じるわずかな変形)を深澤氏は味わいとして捉えるが、佐藤氏は「味は作るのではなく、結果として現れるもの」と語る。「民藝が世の中を作るのではなく、民藝が世の中から作られたはず」「世の中の人たちの暮らしが自然と一体になるようなものを作りたい」「ものを作るというのは、実際は世の中を作ること」「どういう世の中になってほしいかという希望を持っていないといいものは生まれない」「自然の材料をいただいて、使う人たちがそれを使うことで幸せになる、そういうところにたどり着かないといいものを作れない」──。素材と人、技と生活、厳しさと温かさが一本の線として結ばれ、民藝の本質が静かに立ち上がる対話。


佐藤阡朗+深澤直人

佐藤阡朗

漆工家

1942 年、青森県八戸市生まれ。1965 年、松田権六先生に導かれ呉藤友乗先生へ入門(多摩美術大学在学中に徒弟に入る)。1966 年、石川県伝統工芸者育成研修講座にて3 年(3 期)に渡って加飾を学ぶ。1967 年、多摩美術大学彫刻科卒業。1972 年、工房を造り独立し、以後東京を中心に全国で個展を重ねる。1983 年、「日本民藝館展」にて奨励賞受賞(1987 年にも同賞受賞)。1992 年、「日本民藝館展」審査委員(現任)。1993 年、漆工芸「創元舎」を設立。1995 年、ヴィクトリア&アルバート美術館に作品が収蔵される。ミュンヘン「ギャラリーフレットヤーン」にて個展。1998 年、世界漆藝交流展台湾へ招待出品及び講演。2000 年、東京国立近代美術館“うつわをみる” 展招待作品。2006 年、日本民藝館運営委員(現任)。2011 年、日本民藝協会専務理事(2020 年まで)。2011 年、日本民藝協会発行雑誌『民藝』の編集長(2020年まで)。2021 年、東京民藝協会会長(2023 年まで)、現在は顧問。