
「人間は混沌の中から秩序を見出すことで生き延びてきた。しかし今や、その秩序とは一体何なのかさえ、掴みづらくなっている」。現実の把握さえ不確かになり、感受性(Sensibility)や繊細さ(Sensitivity)といった感じ取る力、反応の柔軟性も衰退している。その一方、脳中心の発想に偏りがちな現代においてなお、身体は脳の指令を待つことなく環境に応じて自律的に反応している。身体と環境が触れ合う曖昧だが確かな境界──そこにこそ、人間と物、そして環境の「調和」の鍵があるのではないか。 人間として生き抜く「境界の身体×知」へ。